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太陽と月の婚姻の儀

太陽と月の婚姻の儀

啓示が現実となる」では、まだ付き合ってもない男性と世界一周に行くことや結婚することを、決めてしまった。

宇宙と一体化する

太陽と月が重なる皆既日食にも、ものすごいロマンを感じていた。

なぜかと言うとわたしは学生時代から宇宙にとても興味があった。ブラックミュージックにハマり、週末は夜な夜な家を抜け出してはクラブに通っていた一見不良のような素行とは裏腹に、高校では図書館で宇宙の本を見つけてはブラックホールや宇宙の外のことばかり考えていた。そうやって夢想している時間という空間が、わたしの一番の友だちだったのだ。
だから、この宇宙の中で、様々な動きを繰り広げる天体たちの中で、太陽と同じラインで新月が重なるという奇跡が鳥肌モノでわたしをどうしようもなく興奮させるのだった。

わたしはその日に、結婚することも知っていた。

予言とかそんなたいそれたものではなく、テーブルの上にカップがあるのが見えるかのように、皆既日食の日に結婚することもまた、わたしは当たり前に見えていたのだ。

そう。

見えている。

それだけだった。

だから冷静に考えれば結婚適齢期の女性が無職の男性と結婚しようとか、その後長期の旅に出ようとか、不安でしかなさそうな決断に対してネガティブさはなく「うまくいってる」と言う感覚があった。いつもの通勤路を何の違和感もなくいつも通り曲がるように、これらの出来事を一貫して「正しい道を歩んでいる」と感じていた。

そこから私たちは改めて一般的なカップルのようにお互いを知り、仲を深めていき、1年半後に奄美大島で皆既日食の日を迎えた。

レイブカルチャーにどっぷり浸っていた私たちは、その瞬間を迎える場所をレイブパーティーの会場にした。私たちは島に着くとまず、東京で出会った奄美大島出身の友だちの実家から車を借り、島の北部に位置するパーティー会場に向かった。亜熱帯気候ならではのシダ植物が覆う広大な土地に、そのパーティー会場はあった。それはまるでたった数日間だけ現れる砂漠の真ん中のサーカス。7月の奄美大島は本土から来た私たちからすれば蒸し暑く、汗が流れ落ちた。化粧もすぐに落ち、Tシャツは肌に吸い付く。会場に入ると、ドレッドやタトゥーなど、いかにもレイブカルチャーらしい人たちが数日間過ごすためのテントを組み立て各々の生活スペースをデコレーションしている。かく言うわたしたちも友だち含め10名ほどで時折ビールを飲みながら、自分たちのアジトを作る。てっぺんに昇った灼熱の太陽とビールの相性にシビれながら、そこにはこれから起こることを想像する満面の笑顔しかなかった。

広大な会場の中で数ヶ所、DJスペースが設けられておりアルコール片手に会場中を歩く。すれ違う人と目があえば、言葉を交わさなくても分かりあえる。「サイコーだね」と目と目で通じ合える。そこは私たちを錬金術師にしてくれる場所だった。余計な言葉なんて要らない、音に合わせて体を揺らし、横になりたければビーチで星空を仰ぐ。溢れ出るモノに感極まれば叫べばいいし、拳を上げればいい。誰だって本当は自由で、隣の誰かと大した違いはないのだ。地位も職業も、そんなものちっぽけで、シンパシーが合えば混ざり合う。ごくごくシンプルなのだ。

本当は、それだけでうまくいくのだ。

手放すことを恐れるからうまくいかない
なくなることを恐れるからうまくいかない

そんなもの、本当は最初っからないのだ

楽しい!踊る
嬉しい!抱き合う
幸せだ!叫ぶ

それでいいじゃないか

いつから保有するものに執着を持ち、つまらなくなってしまったんだ
産まれてきた時、わたしたちはモノの価値なんて分からなかった
ただ抱っこされれば気持ち良くて、嬉しくて
目の前にいる人が笑えば、嬉しくて
そして笑ったことで、目の前の人も笑った

その時と今の何が違うんだ!

会場中が同じ世界にいる気がした

産まれてきた歓び
その奇跡

そのエネルギーが会場中から膨む。
そんな奇跡の中で、私たちは太陽と月の婚姻の儀に立ち会う。その瞬間の前後だけは音楽が止み、ほとんどの人がビーチに集まる。ついさっきまでの爆音が嘘かのように聴こえるのは波の音だけ。不思議なくらい誰の声も聴こえなくなる。真っ青で晴れ渡る空とは言えない薄く雲がかかる空を、観測専門の簡易的なメガネをかけ空を見上げる。

真っ白の太陽の端を黒い月がかする

隣にいるFとわたしも体を寄せ合う

少しずつ黒い月が、白い太陽に重なる

私たちも体が溶け合っていく

別物だった汗ばんだわたしの体とFの体が、油と水が混じるように同じ物体になっていく

そして月が寸分の狂いもなく太陽を覆うと、ダイヤモンドリングと呼ばれる状態に

わたしたちも、わたしたちの指輪を天にかざしその光を指輪に集める

私たちは別物で、同じなのだ
本当は他人で、本当は彼もわたしなのだ

同じものだということを思い出すと、急に溶け合い、混ざり、一体化する

共鳴する

けど罪多き私たちは、しばしばそれを忘れ時に反発もするが、それすらもすでに大いなるものによって仕組まれた物語

それを永遠と繰り返し、減速したり加速したりしながら上昇している

その日、会場にいた私たちすべての人たちが、その同じ気流にのったもはや同志

ダイヤモンドリングが見えた直後、友だちの一人が静まり返ったビーチでこう叫んだ

 

「みなさん!今日、結婚した2人がいます!!」

 

それを聞いた会場中の人々が、私たちの元へ押し寄せた。それはまるで、とてつもなく広い砂漠に強大な力を持った磁石を落とし、そこにすべての砂が集まるかのようにものすごい勢いで人々が集まってきた。一人残らずすべての人が「おめでとう!!」と言いながら。
私たち2人はそのコアにいた。
ありとあらゆるものを集められそうな力の中心にはわたしとFがいた。

太陽と月の婚姻の儀に相応しいほら貝の音が鳴り響き、会場中から私たちは祝福を受けた
「そして無期限の旅に出る」に続きます

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