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便座の脇で笑う理由

希望だけでは決してなかったそして私たちは無期限の旅に出たからの続きです。

誰かの普通は、わたしの驚き

タイ北部にチェンマイという街がある。私たちはこの街に少しだけ長くいることを決めていた。バックパック旅の私たちは基本的に街に着いたら宿を探すスタイル。潤沢に資金がある訳でもなかったので当然何個か宿を探し回ることになるのだけれども、慣れない南国独特の蒸し暑さに20kg近いバックパック。その状態で街を歩き回るのはバックパッカーとは言えども女のわたしにはキツかった。わたしへの配慮か、自分のこだわりか知らないけれども、夫になったFは宿を何件も何件も探し回る。きっとそれは優しさと呼ぶものだったのだろうけれども、わたしにはその背中に憎さを感じるくらい、暑さと重さはキツかった。次第にFからわたしは後れを取り、最後には泣きたくなり道の端でうずくまってしまった。
結局、F一人で宿を探すことになった。

知らない土地で、わたしはポツンと取り残された。わたしの目の前でチェンマイで暮らす人々が行き交う。日本でわたしが毎日同じ電車に乗って、毎日同じ駅に帰ってくる、それとまったく同じような感じでおそらくチェンマイの人たちもなんてことのない一日なのだろう。けれどもわたしから見たこの世界は、さっきまでは見たことのない世界で、さっきまでは知らなかった路地にいる。初めての景色にキョロキョロして、少し不安を感じたり、美味しそうな匂いを嗅ぎ分けては楽しみになったりしている。わたしの日本でのいつもの毎日だって、きっともっと楽しめたのだろう。旅人視点で新しいモノを探し、旅人視点で知らないことを恐れず、旅人視点でどんどん突っ込んでいければ、日本だって普通なんて毎日は一度もなかったのかもしれない。

そんなことを考えているとFが帰ってきた。

中庭にパラソルがあり、ゆっくり出来そうないい宿があったと。早速、その宿に向かう。宿に向かう際中、路地を曲がった瞬間にふわっといい香りが漂う。その香りの方に顔を向けるとランドリーショップ。

そのまま30mほど歩いて、白い3階立てのアパートのような見た目をしたバックパッカー宿に来た。3階まで登り、どさっと勢いよくバックパックを下すと、わたしは荷物の整理をはじめ、Fは外に出て話し相手を探しに行く。一通り荷物の整理が出来ると、すっかり汗だくで気持ち悪いことを思い出す。まだ夜には程遠いけれども、シャワーを浴びることにする。着替えを用意し、シャワールームを開けるとわたしはキョトンとしてしまう。

 

トイレの便座めがけて、シャワーヘッドが固定されているからだ。

 

笑えるだろうか?
残念ながら、旅初心者のわたしは一度見なかったことにしてドアを閉めた。

「どういうこと・・・・??」

とももしかしたら呟いたかもしれないが、どういうことも何もなく、そういうことなのだ。そう、

 

トイレの便座めがけて、シャワーヘッドが固定されている!!

 

それがたった一つの事実だったのだ!
しばらく考えてみたけど、受け入れて浴びることにした。便座ギリギリに立ち、シャワーを浴びる。途中でトイレットペーパーまで濡らしてしまっていることに気付き、外す、という作業をはさみながら、再びシャワーをした。こみあげてくる笑いを我慢することなくわたしは声に出して笑った。

 

この世界はどうやら面白いらしい

 

便座めがけてシャワーヘッドという、出合ったことがなさ過ぎる事実にわたしは、とにかくニタニタ笑っていた。中途半端に予測出来ることだと人は怒ることがあるが、まったく予測出来ないことには人は笑えるのかもしれない。
→「旅と言う名の修行に続きます

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